会長よりご挨拶 greeting of president

今、ここで、新しく──つながりを紡ぐ学びの場として

日本関係学会会長 義永睦子

このたび、日本関係学会の会長を拝命いたしました。2025〜2026年度の2年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。

今回の会長交代にて、松村康平先生の直弟子ではない者が会長を務める時代が訪れました。あらためて身の引き締まる思いがいたします。これまで、先輩方に支えられ、学びの場として関わってきた本学会を、今、自らが責任を自覚して担う立場となり、景色が大きく変わって見えることを実感しています。「役割は人を育てる」との言葉の通り、この役割にふさわしく成長していく覚悟を新たにしています。

私が関係学に出会ったのは、大学1年次に黒田淑子先生の「お茶の水女子大学心理劇研究会」に参加したことがきっかけでした。「今、ここで、新しく」ふるまい、感じ、考えるという関係学を基盤とした心理劇の世界に魅了され、特に補助自我の役割に惹かれました。大学2年次の夏、心身障害児総合医療療育センターでのボランティアを通じて武藤安子先生と出会い、子どもとの関わり方や保護者へのまなざしに深く感銘を受けました。その経験が、ハンディキャップのある子どもたちへの関心へとつながり、3年次には吉川晴美先生の「要助児保育研究会」に参加。以後、黒田先生のゼミや「児童集団研究会」「児童臨床研究会」など、さまざまな場で学びを深めてきました。

大学在学時、松村先生は既に退官されていましたが、夏と冬の日本心理劇協会心理劇研修会では松村先生や土屋明美先生に学びました。学会事務局の補佐や運営委員を担いながら、松村先生と先輩方のやり取りに触れ、関係学が目指すものを体感しました。社会人となった後も、吉川先生のもとで実践と研究の指導を受け、武藤先生や田中佑子先生には、外部発信を意識した研究の構えを学ばせていただきました。

どの場でも共通していたのは、「今、ここで、新しく」考える姿勢と、「3つで考える」「困らない、困らない。先を考える」といった前向きな言葉でした。関係学の難解な用語に戸惑いながらも、武藤先生の「関係学を解きほぐす」という言葉に支えられ、諸先輩方から学び続け、今に至ります。

これからの学会運営では、以下の3つの柱を中心に取り組んでまいります。
1. 会員の学びと交流の活性化
2. 関係学の社会的発信と連携の強化
3. 学会の持続的発展に向けた基盤整備(将来計画検討委員会の設置)

なお、2027年度の日本心理劇学会大会では、関係学を基盤とした心理劇に焦点を当てる絶好の機会が訪れる見込みです。

サグラダ・ファミリアの修復を手がけた外尾悦郎氏が「ガウディを見ない。ガウディが見ている方を見る」と語ったように、私たちも松村先生が見ている未来を羅針盤に、関係学と本学会の新たな航路を拓いていければと思います。

「今、ここで、新しく」――この精神を胸に、会員の皆さまとともに、関係学の未来を創ってまいりましょう。どうぞよろしくお願いいたします。

歴代会長

初代会長1979年6月〜松村康平(お茶の水女子大学)
2代会長2000年4月〜黒田淑子(お茶の水女子大学)
3代会長2002年4月〜畠中徳子(立教女学院短期大学)
4代会長2004年4月〜武藤安子(横浜国立大学)
5代会長2006年4月〜吉川晴美(東京家政学院大学)
6代会長2009年4月〜春原由紀(武蔵野大学)
7代会長2011年4月〜土屋明美(東京薬科大学)
8代会長2013年4月〜田中佑子(諏訪東京理科大学)
9代会長2015年4月〜水流恵子(原宿カウンセリングセンター)
10代会長2017年4月〜矢吹芙美子(東京福祉大学)
11代会長2019年4月〜小里國恵(日本心理劇協会)
12代会長2021年4月〜宮川萬寿美(小田原短期大学)